7/18 (2日目)近自然セミナー in 占冠 2016 報告 7/17-18
- 2016/07/18
- 12:45
7月18日(祝)
8時50分集合:占冠村コミュニティプラザ http://goo.gl/maps/NNucm
E 9時~10時00分 ●鵡川の落差工を考える住民会議報告
村内の鵡川本流にある、魚道のない古い人工構造物「落差工」を通して、地域の環境マネージメントを考えた7回の会議の報告を行いました。邪魔者の「落差工」が愛すべき「落差工ちゃん」に。変化したのは住民の意識でした。
まず最初に、住民会議の代表を務めた山本敬介から、住民会議に至った流れを1994年にまで遡ってお話しました。トマムリゾートで発行していた「苫鵡の達人」というコミュニティペーパーの編集を通して、地域資源の発掘と、コミュニティづくりが若者中心に行われ、その活動が地域愛につながり、この10年の山菜市や鬼峠フォーラム、スローフード、鵡川源流~海へ135kmなどの活動を経て、行政や組織に属した個人を市民として意識させ、ひとつの問題に同じ意識で取り組む「住民会議」に到達しました。
そして、過去の近自然セミナーで山脇氏の指摘を受けて、家次氏や長谷川氏などの専門家の力を借りながら、行政(北海道建設管理部)の全面的な協力を得て充実した会議とフィールドワークを進めてきました。
続いて長谷川雅広氏から、「リスクに対する準備ができてから魚道の設置」という結論に会議が到達した点について、あらためてこの住民会議の意義と、さらには漁業権設定などあらたな環境保全の仕組みの提案などをいただきました。「落差工なんてなければすべて良い」という短絡的な観点しか持たなかった住民が、川の連続性担保の重要性や生物多様性を学び、障壁をなくすことのリスク(外来種のあらたな侵入)を考え、行政の側にもたって予算にも配慮し、自らの地域の未来像まで描き出したのです。
さらに、今後もこの住民会議の結論を受けて、「鵡川の落差工を考える住民の会」をあらためて設立し、森林管理署との交渉や調整を続けていくことが、この席で確認されました。
>>住民会議のまとめと展望はこちら




F 10時00分~11時30分 ●近自然セミナー
いよいよセミナーのメインとなるスイス近自然研究所の山脇正俊氏による「近自然セミナー」です。今回は2014年から2年ぶりの開催となったので、どんな新しい内容が盛り込まれているのかとても楽しみにしていたのですが、地球温暖化という人間によって創りだされた「虚構」を、数多くのデータから示していただいたことは驚きでした。今は氷河期のまっただ中であり、寒さに備える視点が将来に向けては不可欠とのこと。もちろん「温暖化」が虚構であることと、現代文明の非持続可能性は別に考える必要があるとのこと。このデータは、つい先日理化学研究所で行った講演で数多くの日本のトップレベルの研究者にも示されたものだそうです。「温暖化=二酸化炭素排出=二酸化炭素を出さない原発の推進」という構図があるのでしょう。
また、日本の10年後のタイムマシーンと言われているスイスでは、働かずに30万円の収入を得る「ベーシックインカム」という制度の国民投票が行われ、今回は否決されたそうです。日本人には「???」ですが、これは「女性の参政権」と同じレベルで必ず実現していくそうですので、今後の世界の動きを注目にしたいと思います。
このセミナーには帯広畜産大学や酪農学園大学、北海道大学から多くの学生が参加してくださいました。セミナー後もみなそれぞれの視点で様々な質問が寄せられており、今後の彼らの活躍につながればうれしい限りです。


G 11時30分~12時30分 ●落差工ちゃんに会いに行く
そして、最後のプログラムは、1年間議論を重ねた鵡川本流にある魚道のない人工構造物、「落差工ちゃん」を見学に。
この日は水量もある程度あって、水の落ちる音で近くにいないと会話ができないほど。しかし、そこここで、さまざまな立場の参加者が、それぞれの立場とひとりの市民としての思いで落差工について議論をしている。私はこの様子を見て胸が熱くなりました。
人工構造物「落差工ちゃん」は50年前から変わらずここにある。それを人間の側がどう捉えて、自分たちがどう変わり、そしてどう行動していくのか。それにはフラットな議論が何より大切だと今回のセミナーが教えてくれました。
参加者の皆さん、そしてセミナーの開催にご協力いただいたすべてのみなさんに感謝します。


近自然セミナー in 占冠 2016 参加者
1 秋元美弥子 札幌市 スローフードしむかっぷ
2 山本敬介 村内 スローフードしむかっぷ
3 細谷誠 村内 スローフードしむかっぷ
4 山脇正俊 スイス 近自然研究所
5 家次敬介 富良野市 (有)三素
6 長谷川雅広 札幌市 オフィスマルマ
7 中本啓子 標茶町 スローフード・フレンズ北海道
8 湯浅優子 新得町 スローフード・フレンズ北海道
9 城川美空 帯広市 帯広畜産大学
10 立松宏一 旭川市 スローフード・フレンズ北海道
11 眞屋依理子 芽室町 山岳ガイド
12 松木政治 富良野市 富良野市商工観光課
13 西尾 淳 上富良野町 ちいむれグロリア農園
14 西尾奈津 上富良野町
15 阿部貴裕 村内 占冠村教育委員会
16 坂口恒大 村内 占冠村教育委員会
17 福澤 萌 札幌市 北海道大学
18 橋本 陽 村内 MOCAMUCA
19 橋本 睦 村内 MOCAMUCA
20 橋本 杏 村内
21 宮川 慧 帯広市 帯広畜産大学
22 小林奈央 帯広市 帯広畜産大学
23 松尾寿裕 東京都 全国小水力利用推進協議会
24 松尾萌子 東京都
25 松尾江奈 東京都
26 松尾諧 東京都
27 妻藤荘史 村内 上川南部森林管理署
28 安田章人 福岡県 福岡大学
29 小泉巴 札幌市 帯広畜産大学
30 佐藤優紀 天塩町
31 野村直広 村内 占冠村地域振興室
32 藤原きみよ 村内 スローフードしむかっぷ
33 家次奎多 江別市 酪農学園大学
34 畑 裕子 村内 スローフードしむかっぷ
35 岡崎善二 村内 スローフードしむかっぷ
36 山本 牧 旭川市 NPO法人 もりねっと北海道
37 中村直人 旭川市 NPO法人 もりねっと北海道
38 高橋勝美 村内 森のかりうど
39 佐野愉架 旭川市 NPO法人 もりねっと北海道
40 竹内清孝 村内 スローフードしむかっぷ
41 伊藤野晴 帯広市 帯広畜産大学
42 児玉真澄 村内 サケマスを育む会
43 池垣美夏子 江別市 酪農学園大学
44 林 正貴 富良野市 旭川建設管理部
45 野坂勇太 札幌市 北海道大学大学院環境科学院
46 宮井政人 日高町 スローフードしむかっぷ
47 宮井典子 日高町 スローフードしむかっぷ
48 細谷実佳 村内 スローフードしむかっぷ
49 神田雅美 村内 スローフードしむかっぷ
50 神田柊斗 村内
8時50分集合:占冠村コミュニティプラザ http://goo.gl/maps/NNucm
E 9時~10時00分 ●鵡川の落差工を考える住民会議報告
村内の鵡川本流にある、魚道のない古い人工構造物「落差工」を通して、地域の環境マネージメントを考えた7回の会議の報告を行いました。邪魔者の「落差工」が愛すべき「落差工ちゃん」に。変化したのは住民の意識でした。
まず最初に、住民会議の代表を務めた山本敬介から、住民会議に至った流れを1994年にまで遡ってお話しました。トマムリゾートで発行していた「苫鵡の達人」というコミュニティペーパーの編集を通して、地域資源の発掘と、コミュニティづくりが若者中心に行われ、その活動が地域愛につながり、この10年の山菜市や鬼峠フォーラム、スローフード、鵡川源流~海へ135kmなどの活動を経て、行政や組織に属した個人を市民として意識させ、ひとつの問題に同じ意識で取り組む「住民会議」に到達しました。
そして、過去の近自然セミナーで山脇氏の指摘を受けて、家次氏や長谷川氏などの専門家の力を借りながら、行政(北海道建設管理部)の全面的な協力を得て充実した会議とフィールドワークを進めてきました。
続いて長谷川雅広氏から、「リスクに対する準備ができてから魚道の設置」という結論に会議が到達した点について、あらためてこの住民会議の意義と、さらには漁業権設定などあらたな環境保全の仕組みの提案などをいただきました。「落差工なんてなければすべて良い」という短絡的な観点しか持たなかった住民が、川の連続性担保の重要性や生物多様性を学び、障壁をなくすことのリスク(外来種のあらたな侵入)を考え、行政の側にもたって予算にも配慮し、自らの地域の未来像まで描き出したのです。
さらに、今後もこの住民会議の結論を受けて、「鵡川の落差工を考える住民の会」をあらためて設立し、森林管理署との交渉や調整を続けていくことが、この席で確認されました。
>>住民会議のまとめと展望はこちら




F 10時00分~11時30分 ●近自然セミナー
いよいよセミナーのメインとなるスイス近自然研究所の山脇正俊氏による「近自然セミナー」です。今回は2014年から2年ぶりの開催となったので、どんな新しい内容が盛り込まれているのかとても楽しみにしていたのですが、地球温暖化という人間によって創りだされた「虚構」を、数多くのデータから示していただいたことは驚きでした。今は氷河期のまっただ中であり、寒さに備える視点が将来に向けては不可欠とのこと。もちろん「温暖化」が虚構であることと、現代文明の非持続可能性は別に考える必要があるとのこと。このデータは、つい先日理化学研究所で行った講演で数多くの日本のトップレベルの研究者にも示されたものだそうです。「温暖化=二酸化炭素排出=二酸化炭素を出さない原発の推進」という構図があるのでしょう。
また、日本の10年後のタイムマシーンと言われているスイスでは、働かずに30万円の収入を得る「ベーシックインカム」という制度の国民投票が行われ、今回は否決されたそうです。日本人には「???」ですが、これは「女性の参政権」と同じレベルで必ず実現していくそうですので、今後の世界の動きを注目にしたいと思います。
このセミナーには帯広畜産大学や酪農学園大学、北海道大学から多くの学生が参加してくださいました。セミナー後もみなそれぞれの視点で様々な質問が寄せられており、今後の彼らの活躍につながればうれしい限りです。


G 11時30分~12時30分 ●落差工ちゃんに会いに行く
そして、最後のプログラムは、1年間議論を重ねた鵡川本流にある魚道のない人工構造物、「落差工ちゃん」を見学に。
この日は水量もある程度あって、水の落ちる音で近くにいないと会話ができないほど。しかし、そこここで、さまざまな立場の参加者が、それぞれの立場とひとりの市民としての思いで落差工について議論をしている。私はこの様子を見て胸が熱くなりました。
人工構造物「落差工ちゃん」は50年前から変わらずここにある。それを人間の側がどう捉えて、自分たちがどう変わり、そしてどう行動していくのか。それにはフラットな議論が何より大切だと今回のセミナーが教えてくれました。
参加者の皆さん、そしてセミナーの開催にご協力いただいたすべてのみなさんに感謝します。


近自然セミナー in 占冠 2016 参加者
1 秋元美弥子 札幌市 スローフードしむかっぷ
2 山本敬介 村内 スローフードしむかっぷ
3 細谷誠 村内 スローフードしむかっぷ
4 山脇正俊 スイス 近自然研究所
5 家次敬介 富良野市 (有)三素
6 長谷川雅広 札幌市 オフィスマルマ
7 中本啓子 標茶町 スローフード・フレンズ北海道
8 湯浅優子 新得町 スローフード・フレンズ北海道
9 城川美空 帯広市 帯広畜産大学
10 立松宏一 旭川市 スローフード・フレンズ北海道
11 眞屋依理子 芽室町 山岳ガイド
12 松木政治 富良野市 富良野市商工観光課
13 西尾 淳 上富良野町 ちいむれグロリア農園
14 西尾奈津 上富良野町
15 阿部貴裕 村内 占冠村教育委員会
16 坂口恒大 村内 占冠村教育委員会
17 福澤 萌 札幌市 北海道大学
18 橋本 陽 村内 MOCAMUCA
19 橋本 睦 村内 MOCAMUCA
20 橋本 杏 村内
21 宮川 慧 帯広市 帯広畜産大学
22 小林奈央 帯広市 帯広畜産大学
23 松尾寿裕 東京都 全国小水力利用推進協議会
24 松尾萌子 東京都
25 松尾江奈 東京都
26 松尾諧 東京都
27 妻藤荘史 村内 上川南部森林管理署
28 安田章人 福岡県 福岡大学
29 小泉巴 札幌市 帯広畜産大学
30 佐藤優紀 天塩町
31 野村直広 村内 占冠村地域振興室
32 藤原きみよ 村内 スローフードしむかっぷ
33 家次奎多 江別市 酪農学園大学
34 畑 裕子 村内 スローフードしむかっぷ
35 岡崎善二 村内 スローフードしむかっぷ
36 山本 牧 旭川市 NPO法人 もりねっと北海道
37 中村直人 旭川市 NPO法人 もりねっと北海道
38 高橋勝美 村内 森のかりうど
39 佐野愉架 旭川市 NPO法人 もりねっと北海道
40 竹内清孝 村内 スローフードしむかっぷ
41 伊藤野晴 帯広市 帯広畜産大学
42 児玉真澄 村内 サケマスを育む会
43 池垣美夏子 江別市 酪農学園大学
44 林 正貴 富良野市 旭川建設管理部
45 野坂勇太 札幌市 北海道大学大学院環境科学院
46 宮井政人 日高町 スローフードしむかっぷ
47 宮井典子 日高町 スローフードしむかっぷ
48 細谷実佳 村内 スローフードしむかっぷ
49 神田雅美 村内 スローフードしむかっぷ
50 神田柊斗 村内
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